ミミズへの想いmind

手探りの研究を続けて40年

石井会長

私がミミズと出会ってから40年になります。当初、重視していたのは、ミミズの活用法でした。それにはミミズの習性の研究が不可欠です。ミミズは夜行性ですので、昼夜を問わずに観察し、習性の特徴と、どのような餌を好むかの実験を中心に研究していました。失敗の連続でしたが、それとなくわかりかけたころ、飼育していたミミズが大脱走しました。飼育面積に対してミミズが繁殖しすぎたため、逃げ出す結果となったのです。

しかし、この失敗が研究目的を再考する転機となりました。逃げたミミズが死ぬと、自身を溶かしてしまう現象を目の当たりにして、「自身を溶かす」=「死んだたんぱく質を溶かす」ということではないかと思い至りました。それなら、死んだたんぱく質である血栓を溶かすのではないかと考え、人工血栓の上にミミズを乗せてみると、血栓が溶解することが判明しました。これがルンブロキナーゼ発見につながり、研究にも拍車がかかりました。

しかし、実用化に向けての段階で、薬品にはならないことがわかり、研究は頓挫してしまいました。そこで事業展開の方向を医薬品開発から健康食品の開発に転じました。その結果、現在の新SK末含有の健康食品が誕生し、特許の取得にまでこぎつけたのです。

土壌の温度および水分量の測定による環境管理

研究を始めた頃、生ごみの処理にミミズを使用すれば今でいうエコになるばかりか、その糞土はすばらしい肥料になるので一石二鳥ではないかと、いろいろ実験もしました。その過程で、ミミズが出す糞土が一定の成分の肥料効果を持ち、無臭の上、消臭効果まで有することがわかりました。あるプラント会社の方には、「ミミズが果たす『処理工程』と同じ効果を持つプラントを作るとしたら100億円くらいはかかる」と言われ、ミミズの体内にはすごいものがあるのではないかと思いました。このことは現在の研究の柱になる部分だと感じています。

私は今後、ミミズの適応性をさらに深く追求し、飼育時の環境変化によるミミズ体内の変化について研究を重ねたいと思っています。変化に適応したミミズを育て、その結果ミミズ体内に含有されるさまざまな物質の変化を解明していけば、新たな物質がみつかる可能性もあると感じています。

小さな生き物=ミミズの様々な効能・効果はまだ全部が科学的に解明されたわけではありません。研究を少しでも進め、人の命を救う手段を衰退させないための原点は、ミミズの養殖技術を継承することだと思っています。そのために後継者を育て、私の世代が精進することで身近な継承者である子供たちに、研究の重要性とともに、ミミズの魅力を教えていきたいと思います。

糞土などを取り除き洗浄されたミミズ

私の研究はミミズに惚れ込んでのものであったため、三十数年前には飼育環境も衛生的とはいえなかったうえ、どのような効果・効能があるのかわからず、適正投与量も見当がつかないままに、命を賭ける思いで飲用実験をしたこともあります。今になって振り返ってみると、それが新SK末健康食品の作用を調べる原点ともなったと感じています。

現在の私の研究テーマは、昨年9月に招請致しました、ミミズ研究の第一人者・米国カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)名誉教授エドワード・クーパー博士が取り組んでおられるミミズの免疫に関することです。免疫アップ・炎症抑制の化学薬品は薬害の心配もある薬物です。新SK末のようなソフトな作用での改善が望めるなら、患者にとってはこの上ないものだと思います。

ミミズも私たちと同じ生き物です。新SK末になるミミズは死んで人を救うことになるのですから、その命を無駄にしないように研究を続けていくことが大事です。経済面ばかりに走りがちな心を戒めなくてはならないと感じている次第です。

命から命へ。バトンタッチをしていくための研究に日夜努力する所存です。

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