各種データdata

エサによる酵素の変化

エサの配合が変わるだけで、その個体の線溶活性にバラツキが見られる。環境、エサ、飼育方法で変動する。用途別に飼育が可能。

合成アミド基質分解法とは・・・

基質と酵素は鍵と鍵穴の関係で、酵素の構造によって特定の基質と特異的に反応するしくみ。酵素反応によって、合成アミド基質に付加している発色剤(pNA)が遊離(酵素によって加水分解されpNAが分離される)され、酵素と基質の選択性(感度)が良い程、反応液がpNAによって強く発色される。酵素との反応性が悪い程、発色量は少なくなる。

比活性とは・・・

溶液中に含まれる蛋白質量(今回はBradford法による牛アルブミン量で換算)を基準に比較することで、溶液濃度の誤差(秤量時のバラツキ)などが低減できる。基準になるものがないと、活性の比較検討できない。

加熱殺菌データ

原末を加熱殺菌処理しても線溶活性(フィブリン分解、合成アミド基質分解)は、熱による酵素失活がなく、成分は残っている。特許 第4886017号(熱処理)

加熱殺菌処理の温度と時間で120℃、短時間であれば線溶活性(フィブリン分解、合成アミド基質分解)は、熱による酵素失活がなく、成分は残っている。

ミミズ乾燥粉末の加熱殺菌試験

時間
(分)
加熱温度
(℃)
フィブリン分解面積
(mm2
一般細菌数
(CFU/g)
大腸菌群
(CFU/g)
耐熱性菌群
(CFU/g)
0 0 479.6 94000 陰性 3500
30 120 373.8 440 陰性 10
45 120 370.0 400 陰性 検出できず
60 120 369.3 220 陰性 検出できず
75 120 365.4 160 陰性 検出できず

菌数分析は(株)静環検査センターに依頼

加熱殺菌処理120℃の短時間であっても一般細菌を含め大腸菌群などへの殺菌効果は良くなっている。

フィブリン分解面積(平板法)

  1時間 2時間 3時間 4時間
A : 旧SK末 110.2mm2 184.0mm2 261.3mm2 333.6mm2
B : SK末 124.0mm2 206.4mm2 290.1mm2 369.3mm2
C : 新SK末 123.7mm2 209.1mm2 292.2mm2 368.4mm2

原料末加工技術の進歩において、フィブリン分解の大きさは維持もしくは上昇傾向である。しかし、フィブリン分解面積は、目視での計測のため、フィブリン平板のコンディションや試験溶液のフィブリンへの乗せ方次第で変動する。よって、目視以外で酵素学的に試験する必要がある。そこで酵素と基質の特異的反応による合成基質分解法で数値化し酵素力価を測定する。酵素学的に国際単位などを設定するのに用いられる方法である。

合成アミド基質分解法:基質特異性試験

基質の中から、最も特異性に優れた基質1を選択して、線溶系力価を試験している。

原末加工技術進歩

原末の養殖加工進歩に伴い、蛋白質量が減少している。線溶活性には必要でない蛋白質が取り除かれていると思われる。

独自の養殖、洗浄、加工方法によって、線溶活性は維持でき、不要な蛋白質が取り除かれ、蛋白質あたりの比活性が旧SK末に比べ、2倍、4倍と向上している。

各原末別の各原末別のポリアクリルアミドゲルで泳動後、フィブリンザイモグラフィー
12.5%ポリアクリルアミドゲル泳動

電気泳動法によってミミズ酵素を含む蛋白質を分離することで、蛋白質の分子量で細分化できる。ポリアクリルアミドゲルで泳動したゲルを特殊な方法によって処理し、フィブリン平板上に重層して反応させると、線溶活性のある部分のみフィブリンが分解する。既報通りに6区分の線溶活性が見られ、養殖〜洗浄〜加工方法によって酵素が壊れる(失活する)ことなく維持できている。

各原末別のポリアクリルアミドゲルで泳動後、CBB染色
12.5%ポリアクリルアミドゲル泳動

蛋白質分離後のゲル染色において、技術の進歩によって染色濃度が薄くなっており、線溶活性に必要な蛋白質はそのままで、要らない蛋白質が除去できている。

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